★効果的な運動の時間・頻度・強度★この文章は、2005年度、東京都某区の消費生活通信講座のテキスト用に、書いたものです。● 効果的な運動の時間と頻度は、 ・一回の運動は、継続して10分間以上 ・一日の運動時間は、合計で20分から60分 ・一週間に3~5日 普段、あまり身体を動かす生活をしていらっしゃらない方は、無理をせ ず、まずは家の周りを5分ほど歩くことからはじめましょう。そして、慣れ てきたら徐々に時間を増やし、目標レベルに達するようにしましょう。 運動は、10分ずつこま切れに2回、3回と行っても、20分間、30分 間とまとめて行っても、同様の効果が得られます。イギリスの研究者マーフ ィらの1998年の研究によると、10分間を、一日に3回歩くショート・ ウォーキングを6週間行ってから、30分間のロングウォーキングを一日に 1回行うようにすると、無理なく長い距離を歩けるようになるということが わかりました。歩く習慣のない人が、ウォーキングをはじめる時には、一回 が短い時間からはじめるといいようです。 ●運動の強さ 普段より少し強い負荷をかけることによって、身体の機能は向上します。 このことは、トレーニングの原則で、「過負荷の原則」といいます。 座って、安静にしている時は、心臓は一分間に約60~90回くらい収縮、 拡張を繰り返して、全身に血液を送っています。これを安静時の心拍数(脈 拍数)といいます。走ったり、階段を昇ったりと運動が激しくなるにつれ て、心臓のドキドキは、速くなります。つまり心拍数は、増えます。運動の 強度が増せば、心拍数も増えることから、運動の強さは心拍数をみて調節す ることができます。運動は、弱すぎても、強すぎても良い効果は出ません。 運動中の心拍数の測定は、運動を一時中断し、10秒間脈をとって6倍して 求めます。ウォーキングの際は、信号待ちで立ち止まった時などに測るとい いでしょう。 およその目標心拍数は、次の式から計算して推定します。 ● 有酸素運動中の目標心拍数 目標心拍数=(220-年齢)×0.60~0.80 年齢 目標心拍数(拍/分) 35歳 111~148 45歳 105~140 55歳 99~132 65歳 93~124 75歳 87~116 85歳 81~108 ※高血圧の薬や安定剤などを飲んでいる場合は、心拍数が上がりにくくなり ます。また、高齢になると、運動が強くなっても心拍数はあまり上がらず、 血圧が高くなってしまうことがあります。個人の身体的状況によって、差が 生じますので、計算式は、あくまでも目安と考えてください。そして、安全 に運動を行うためには、自覚的運動強度の判断や、体調を自己観察すること もとても重要です。 |